簡単なマインドフルネスのやりかたって?
私は、おだやかな日々を求めていました。
世界中で猛威をふるうコロナウイルスはいまだ収束せず、第2波への不安は拭えません。
これから訪れるであろうコロナショックは、さまざまな形で私たちに襲いかかってくるはずです。
こんなときには、冷静さを保つ方法や、不安への対処法が必要になります。
しかし私は、マインドフルネスとは瞑想のようなものと考えてしまっていたばかりに、効果を実感できずにいました。
マインドフルネスと瞑想の違いは、どこにあるでしょうか?
この記事では、いままでのマインドフルネスができない人にも役立つ、とても簡単なマインドフルネスのやりかたをお伝えします。
- 新しいものごとに気づく
これを心がけるだけで、実は誰でもが簡単にマインドフルネス状態になれます。

マインドフルネスとは?そのルーツと言葉の意味
マインドフルネスは、もともと「マインドフルネスストレス低減法」と呼ばれていました。
ジョン・カバットジン博士により、1979年に体系化されました。
その後、「マインドフルネスストレス低減法」という書籍が出版されています。
マインドフルネスの意味
マインドフルネスとは、「いまこの瞬間の自分自身の精神状態に意識を向け、それをただ観ること」といわれています。
私たちの心には、さまざまな考えや気持ちが浮かんできます。

「今日は仕事を休みたい」
「お腹すいた」
「このままで大丈夫かな?」
他にもたくさん、それこそ無数に浮かんでくることでしょう。
このような考えや気持ちにとらわれてしまうのではなく、すこし離れたところから、ただそれを観る。

このような感覚が、マインドフルネスと呼ばれる状態です。
これができるようになると、そのときどきの感情や思考に振りまわされることが少なくなります。
マインドフルネスは、自分を知るための方法でもあります。
その他の自分を知るための方法については、下記の記事を参考にしてください。
また、「書く瞑想」と呼ばれる「ジャーナリング」も知っておくと役立ちます。
マインドフルネスの効果
では、マインドフルネスを実践することにより、どのような効果があるでしょうか?
例えば、プロの音楽家にマインドフルネス状態で演奏してもらったときと、そうでない状態で演奏してもらったときを録音させてもらいます。

次にこの音源を、どちらかわからないようにして多くの人に聞かせて、アンケートをとります。
すると、マインドフルネス状態で演奏しているときのほうが圧倒的に支持を集めたのだとか。
もちろん音楽の演奏だけはなく、さまざまな活動にも効果があるといわれています。
- 集中力が高まる
- 創造性が豊かになる
- チャンスを活かしやすくなる
- 他人を好意的に見られるようになる
- リスクを避けやすくなる
マインドフルネスというのは、目には見えない心の状態を変化させるスキルみたいなものです。
しかしそのちょっとした技術が、私たちにさまざまなメリットを与えてくれるのです。

マインドフルネスができない人向けのやりかた
では、マインドフルネスを実践するためにはどうしたらよいでしょうか?
ここからは、マインドフルネスがうまくできない人のために、わかりやすいやりかたを解説します。
まず、マインドフルネスというのは、仏教の瞑想をわかりやすく解釈したものといえます。
そのために「マインドフルネス=瞑想」と考えられることが多いんですね。

マインドフルネスで思考と感情をみるのはなんのため?
しかしここで、もうすこし考えをすすめてみましょう。
マインドフルネスは、「いまこの瞬間の自分自身の精神状態に意識を向け、それをただ観ること」といいました。
それは一体、なんのためにそうするのでしょうか?
- 「新しいものごとに気づくため」
です。
これは心理学者エレン・ランガーによるマインドフルネスの定義です。
実は1980年代後半にはすでに、ランガーによるマインドフルネスの本が日本で出版されています。
マインドフルネスとは、新しいものごとに気づくこと
マインドフルネスが日本で流行りだしたのは、2016年頃からです。
ビジネススキルのひとつとして、「瞑想や呼吸法で目標が達成できる」などと語られることもありました。
しかし本来は、目標達成のものではありません。
- 新しい気づきを得る
これがマインドフルネスの本質です。
この本質に気づくことができれば、とても簡単に実践できます。

簡単なマインドフルネスのやりかたを実践してみよう
さっそくやってみましょう。本当に簡単です。
例えば、仕事中の単調な作業、苦手な人との会話、先延ばしにしている面倒なこと、などです。
このときに、あなた自身の内面的な変化について意識してください。
いかがでしょうか?
これだけです。
実際に「3つの新しい気づき」が得られなくても構いません。
なぜならば、新しい気づきを得ようとする心の状態こそが、マインドフルネス(マインドフルな状態)だからです。

マインドフルネス状態についてわかりやすく解説すると
実は 1) の「面倒くさくて飽き飽きしている状態」というのは、心が閉じられた状態です。
マインドフルネスの反対で、「マインドレスネス」ともいいます。
あえて心を閉じていただいたのは、マインドフルネスをよりはっきりと感じていただきたかったからです。
ですから本当は、どんな場面でも構わないのです。
いまこの文章を読んでいる瞬間にも「これを読みながら、新しい気づきを3つ、得てみよう」と考えてみてください。
それだけで、心はマインドフルネスになります。
気づきを得られたという結果が大切なわけではなく、マインドフルな心の状態にあることのほうが大切です。
マインドフルネス瞑想をしても雑念ばかりで集中できない人のために
この方法では、瞑想は必要ありません。
ですから、雑念ばかりになってしまって集中できないといった心配もありません。
ただし、疲れているときはマインドフル状態になりにくいです。
心をひらいて新しい気づきを得ることは、スマホをながめるような受け身の状態ではなく、能動的な心の状態で、それなりに精神力を使うためです。
マインドフルネスと瞑想の違い
マインドフルネスと瞑想の違いはどこにあるでしょうか?
新しいものごとに気づくことがマインドフルネス状態だとするならば、瞑想は気づきを得やすくするための訓練ということができます。
瞑想をすることによって、自分の感情や欲望などを抑えて、それをすこし離れたところから見つめることができるようになります。
これによって、新しい気づきが得やすくなるといえるでしょう。

まとめ
個人的な考えですが、マインドフルネスというのは難しいものではありません。
いわゆる仏教でいう悟りのような感覚を、宗教的なものとはまったく関係なく手軽に体験できるようにしたもの、といえるでしょう。
「新しいものごとに気づこうとする」
これさえできれば、マインドフルな状態で日々を過ごすことができます。
手軽ですが、効果的なやりかたです。
ぜひ実践してみてください。