HSP と内向型の違いって?
HSP や内向型の人は、人間関係や仕事において悩みを抱えていることがあります。
そんなとき、HSP や内向型についての違いを知ることが、生きづらさの解消につながることがあります。
この記事では、
- HSP と内向型の違いを正しく理解するための基本
についてわかりやすくお伝えします。
内向型の特徴とは?
HSP や内向型について理解するための最初のポイントは、
- 実際には「HSP」や「内向型」というタイプの人がいるわけではない
ということです。

あなたのなかの HSP や内向性を見つけよう
HSP や内向型というのは、誰でもが持っている性格の特徴にすぎないからです。
- HSP と呼ばれる人は、たまたまその特徴が強くでている
- 内向型人間と呼ばれる人は、たまたまその特徴が強くでている
まずはこんな風にとらえてみてください。
イメージとしては、下図のような感じです。

- 左側のように、全体としてのあなたの性格的特徴のなかに、HSP 的な特徴がある。
- 右側のように、HSP 傾向がかなり高い人もいます
あなたの全体的な性格を把握することは、次のようなメリットがあります。
- HSP グレーゾーン(低レベル HSP)の人も、柔軟にその特徴をつかむことができる
- HSP 以外のあなたの特徴にも目を向けることは、あなたの人生や生活をより充実させるきっかけになる
内向性と外向性は同じ目盛りの上にある
内向型についても同じように考えることができます。
内向型というのは、性格の特徴としては「内向性」と呼ばています。
内向性は、「内向性 – 外向性」というひとつの目盛りの中の「どこに位置しているのか?」で考えることができます。

こんなイメージです。
人によって、内向性 – 外向性レベルの標準値(△の位置)は違っています。
ただし、内向性も外向性も同じ次元、同じ目盛りの上にあります。
つまり、状況や環境によっては、内向型人間でも外向的に振る舞うことができるのです。

このようなイメージをもっていると、HSP や内向型人間の生きづらさが理解できるようになります。
次に詳しく説明します。

HSP や内向型は少数派のため生きづらいことも
もしかしたらあなたも小さい頃に、「内気」とか「元気がない」なんて言われたことはないでしょうか?
内向型、HSP の生きづらさは標準値とのズレにある
内向型人間は少数派であり、外向型中心の世界で生きています。
そのせいか、
- 元気=良い
- 内気=悪い
小学校などでは、このような単純なイメージで評価されてしまうこともあります。
結果として、
- 内向型人間は、無理してでも外向的にならないといけない場面がでてくる
- 繊細さや敏感さといった HSP の特徴は一般社会に馴染まない
しかし実は、内向型だから、HSP だから悪いわけではないのです。
単純に社会の標準とズレているために、「内向的なことはよくないこと」と自他ともに納得してしまうことがあるのです。
これが、HSP と内向型の生きづらさの原因のひとつといえるでしょう。
ひとりになれる場所でエネルギーを回復する
内向的な人の特徴を表す言葉に、「パーティの途中でトイレに隠れる」というものがあります。
内向型や HSP には、ひとりになれる場所、静かにエネルギーを回復できる場所が必要なのです。
ちなみに外向的な人は、外部からエネルギーを取り込む必要があります。大勢の人とワイワイ楽しんだり、騒いだりすることでエネルギーを補給しています。
HSP や内向型が快適に生きるヒント
- 外向的中心な社会は、そもそも HSP や内向型人間にとって消耗しやすい社会なので対策を考えよう
- HSP や内向型の特徴は、標準的ではないけれど、それが悪いことではありません

自分の内向性の標準値と普段の生活とのズレを確認しよう
では、内向型や HSP が生きづらさを解消して快適な生活を送るためには、どうすればいいでしょうか?
どうやって生きづらさを解消すればいい?

- 自分の性格的な特徴を知る
- 普段の生活や人生で、無理している場面を知る
自分の標準値とのずれがどれくらいあるか?
これが生きづらさの原因になってきます。
まずはここを客観的に見つめられるようにしましょう。
HSP の特徴とは
HSP の特徴についても紹介します。
HSP の4つの特徴 DOES
HSP の特徴としてよくいわれるのは「DOES(ダズ)」というものです。
HSP の提唱者であるアーロン博士の公式ブログの記事に詳しく書いてあります。
HSP の特徴 DOES
- D:Depth of Processing – 処理の深さ
- O:Over Stimulation – 刺激過多になりやすい
- E:Emotional Responsiveness & Empathy – 感情反応の強さと高い共感性
- S:Sensitive to Subtleties – 微妙なことへの敏感さ

HSP とは、内向的で神経質傾向の高い人のこと
DOES を持ちあわせていれば、それだけで HSP といえるでしょうか?
実は、最近の研究によれば、HSP とは
- 内向性が高い
- 神経質傾向が高い人
- 感情の反応性が高い
といった特徴から分類することができると言われています。
内向性についてはすでにお伝えしましたので、ここでは「神経質傾向」について説明しましょう。

内向的で神経質な人で感情の反応性が高い人のことを HSP と呼ぶことができる
性格的な特徴という観点からは、内向性が高く、神経質傾向も高い人のことをHSP と呼ぶことができます。
ただし HSP には、外向的で神経質傾向が高い人も、少数派として存在します。
ここまで「内向性」と「神経質傾向」という性格の特徴についてみてきました。
では他にはどんな性格的な特徴があるでしょうか?

内向性と神経質傾向以外の性格の特徴を調べてみよう
ビッグファイブという性格心理学の理論によると、性格の特徴は全部で5つあるといわれています。
タイプ分け診断よりも実用的なビッグファイブ
性格の5つの特性
- 外向性
- 神経質傾向
- 誠実性
- 調和性
- 経験への開放性
5つの特性について診断していけば、あなたの性格を全体的にとらえることができるようになります。
HSP や内向型の特徴として
- 外向性レベルが低く(つまり内向的で)
- 神経質傾向が高い
という結果がでるかもしれません。
しかしそれが、
- 目盛りの上でどの辺になるのか?
- それ以外の性格がどんな風になっているか?
は、人それぞれによって違います。
自分を知ることによって、普段の生活がずいぶん楽になると思います。

内向型や HSP だからこそ生まれつきの性格を活かそう
性格とは、その人が生まれつきもっている感情や意志などの傾向のことをいいます。
HSP や内向型人間は、その特徴に気づくことができず、なんとなく生きづらい、と感じている人が多いかもしれません。
自分の意志で一時的に性格を変える
これは、本来の自分を知らずに過ごしているようなものともいえます。
標準値とズレた無理している状態を意識できないと、疲れてしまったり、辛くなってしまったりするのです。
例えば、内向的なお母さんがいたとします。
毎朝、子どもを保育園に預けてから、仕事にでかけます。
このとき、保育園での他のお母さんとの付きあいにおいては、状況によって、外向的に振る舞うこともあるでしょう。
このように社会においては、誰もが状況に応じて、本来の自分とはかけ離れた振る舞いをすることがあるのです。
本来の自分とはかけ離れた振る舞いをしたあとは、自分で自分を回復させる必要があります。
下記の記事では、具体的な対策方法を紹介しています。
性格の特徴には長所と短所がある
あなたの性格には絶対的な長所もないし、短所もありません。
内向的な人は、内気で活気がないといわれることがあります。
しかし裏返せば、穏やかで落ち着いているともいえるのです。
HSP は繊細すぎるかもしれません。
しかし逆に考えれば、皆が気がつかない細かい部分に気づくことができます。
人間は、さまざまな環境に応じて生きていくことができるように、人それぞれに個性をもたせてデザインしてあります。
ですからあなたが内向型人間であっても、HSP であっても、それを活かすことができる場面がきっとあるはずです。
まとめ:HSP と内向型の違いを理解して快適な日々を送るためのヒント
まとめます。
HSP と内向型の違い:
- HSP と内向型の違いは、ビッグファイブの「神経質傾向」のレベルの違いとして考えることができる
HSP や内向型は性格の特徴のひとつとして考えることができる:
- 一般的な HSP や内向型の特徴に加えて、あなたならではの特徴を理解することが大切
性格の特徴にはそれぞれ長所と短所がある:
- 性格の特徴にも長所と短所があるので、それを客観的に見つめていくことが大切
参考になれば幸いです。