生きがいとは
「生きがい」という、日本ならではの言葉があります。
普段はあまり意識することのない言葉ですが、そもそも「生きがい」とはなんでしょうか?
あなたの人生にも必要なものなのでしょうか?
この記事では、
- 生きがいとはなにか?
- 生きがいって必要?
- 生きがいの見つけかた
について、わかりやすく解説します。

生きがいとは「よく生きる」こと
生きがいとは何でしょうか?
ひとことで説明するならば、
- うまく生きるのか、よく生きるのかの違い
ということができます。

周囲に適応してうまく生きるのではなく、よく生きる
例えば、「お前はうまくやったな」といわれたら、どう感じますか?
言葉の外に、ちょっとした「ねたみ」のようなものを感じないでしょうか。
「あなたはよくやったね」
こういわれたほうが、素直に受けとれるはずです。
生きがいとは、自分で自分の人生を振り返ったときに、「よくやった」といえるような生きかた、そんな風に考えることができます。
生きがいとは「周囲に適応してうまく生きる」のではなく「よく生きる」という姿勢から生まれてくるもの、ともいえるでしょう。
そのような意味では、人生設計の知識も役立つと思います。

生きがいという言葉の意味
言葉の意味から考えてみましょう。
「生きがい」という言葉は、「生きる」と「甲斐」があわさっています。
「甲斐」という言葉について調べてみますと、
「その行為に値するだけのしるし。また、それだけの値打ちや効果」
という意味があります。
というわけで生きがいとは、言葉の意味でいえば、
- 生きるに値するだけのしるし
ということができるでしょう。
「しるし」とはなんでしょうか?
ここでは「行動」とか「喜び」、「意味や意義」などと考えてみてください。
生きがいは好きなことや楽しみとは違うの?
生きがいと好きなことには、どんな違いあるでしょうか?
単純に好きなことであっても、「そのために生きている」といえるものならば、生きがいと同じだといえるでしょう。
例えば、映画が好きで好きで、とにかく映画をみるのが生きがいだ、という人もいるはずです。
ただし生きがいというものは、いつでも好きだったり、楽しかったりするわけではありません。
生きるに値するだけのことに自分を捧げるということは、単に好きだから、楽しいからといった理由だけではできないこと、ともいえるでしょう。
そこで次に、例えばどんなことが生きがいと考えられるのか? について、アンケートの結果を紹介します。
例えばどんなことが生きがいになる?
生きがいについて個人的にアンケートをとってみました。
あなたにとって生きがいとは?

期間:2019年10月24日〜27日
ウェブ上で実施
「家族が生きがい」と答えた方が多かったです。
これにはおそらく、子育てなども含まれていると思われます。

生きがいは必要か?
生きがいなんていらない、必要ないという人もいますよね。
あなたはどうですか?
私は、「生活のことだけを考えるならば、生きがいは特に必要ない」と考えます。
わかりやすく説明します。

生きがいは必要ない?
人生について考えるときは、「人生的な側面」と「生活的な側面」にわけるとわかりやすくなります。
ここでいう「側面」というのは「部分」とか「要素」という意味なのですが、
- 人生的側面:生きる意味、やりがい、生きがい
- 生活的側面:日々の生活、お金や健康など
こんな風に書いてみると、わかりやすいでしょうか。
生活とはなにか?
日々の生活というのは、主に「お金・健康・人間関係」の3つのことだと考えてください。

生活面における私たちの理想は、金銭面の余裕やいつまでも健康であること、そして良好な人間関係である、と言いかえることもできるでしょう。
生活は人生の土台であり、まずは土台がしっかりしていることが大切です。

ですから生活のことだけを考えるならば、生きがいは特に必要ありません。
人生について考えるとき
しかし、人は生活のことだけを考えて生きているわけではありません。
というよりも、なにかのきっかけで、人生について考えることがあります。
例えば、この記事を執筆中にも世界中で感染者を増やしつづけている、新型コロナウイルス。
緊急事態宣言が発令されて自宅にこもるとき、これからの人生について考えた、という方もいらっしゃるでしょう。
病気で入院して、これからの生きかたについて考える人もいます。
就職や結婚、出産や介護などもそのきっかけになるでしょう。
人は普段の生活とは違ったイベントにぶつかったとき、人生について考えなおす傾向があるのかもしれません。

結局、生きがいって必要なの?
人が生きていくにあたり、生きがいというものは絶対的に必要なものではありません。
しかし、生きがいがあれば、ないときに比べて、人生が充実するのではないでしょうか?
それは、生活に疲れた自分に対する癒しにもなると思います。

生きがいの見つけ方、探し方
では、どのようにすれば、生きがいを見つけることができるでしょうか?
生きがいを見つけるためのシンプルな質問
生きがいを見つけるためのシンプルな質問があります:
あなたの人生で心から大切にしているものはなんですか?
生活ではなく人生で大切にしていること、というのがポイントです。
先ほども説明したように、生活面で大切なことは、お金や健康、人間関係です。
ここでは生活面での不安はいったん無視をして(またはそれらがすべて満たされていると考えて)、人生で大切にしているものはなにか? 考えてみましょう。
すぐに答えをだそうとせず、ゆっくりと、深く考えてみてください。
生きがいが欲しいけど、見つからない、わからないとき
生きがいが見つからない、わからないという場合はどうしたらよいでしょうか?
個人的なおすすめは、心理学者マーティン・セリグマンが提唱する「PERMA理論」について理解することです。

マーティン・セリグマンは「ポジティブ心理学の父」などと呼ばれ、世の中に「ポジティブ心理学」というものを広めることに貢献しました。
ポジティブ心理学というのは、「人が、人としてよりよく生きるには?」ということについて研究していく心理学の一分野です。
あなたの人生を充実させる5つの要素
さて PERMA理論ですが、考えかたはシンプルです。
あなたの人生を、P・E・R・M・A という5つの要素に分解して考えます。
- P(Positive Emotion):ポジティブな感情、幸福感、楽しみや快感
- E(Engagement):没我感、夢中になること、フロー状態
- R(Relationship):人間関係
- M(Meaning):意味や意義、おおきな使命
- A(Achievement):達成
これら5つの要素を最適化することによって、あなたの人生がよりよく、より充実していく。
PERMA理論では、そのように考えていきます。
ただしここで大切なことは、それぞれの要素はぶつかりあうこともある、ということです。
達成をとるか?意味や意義をとるか?
例えば、子育てや介護について追われている人は、なにかを達成することが難しくなる場合があります。
「A(Achievement):達成」の要素が低くなってしまうのです。
しかしこのとき、「子育てや介護は私にとって意味のある活動だ」と考えることができれば、「M(Meaning):意味や意義」の要素を高めることができます。
生きがいを見つけるためのエクササイズ
このような考えかたをもとにして、ちょっとしたエクササイズをしてみましょう。
あなたにとっての生きがいを見つけるヒントになるかもしれません。
例えば、自分は「P(ポジティブな感情)」については、現状半分くらいかな? と感じたら、真ん中辺に印を付けてください。




例えば、あなたにとって大切な要素は「R(Relationship):人間関係」だとします。
その場合は、あなたの生きがいは、人間関係に関連することにあるかもしれません。
もしもあなたが、生きがいが見つからない、わからないと感じていらっしゃる場合は、このエクササイズを試してみてください。
生きがいを持っていらっしゃる方も、このエクササイズを試してみると、いろいろな気づきがあるかと思います。
自分の性格とその強みについて理解を深めてみよう
もうひとつ、「性格診断」と「性格の強み診断」を活用したエクササイズもあります。
自分の性格の強みというのは、生きがいになりやすい、と私は考えています。
例えば「ユーモア」という強みを持っている人は、ユーモアをいかして生きることを考えると、それが生きがいになりやすいのです。

まとめ:生きがいとは? 一言でわかるその意味と生きがいを見つける方法
生きがいとは、「あなたが生きるに値するだけの行動や喜び」ということができます。
自分の人生を振り返ったとき「自分はよくやった」といえるように生きていくこと、ともいえるでしょう。
生きがいは必要か?
生きがいについて考えるときは、人生を「人生的側面」と「生活的側面」にわけて考えてみましょう。
生活のことだけを考えるならば、生きがいなんて必要ない、といえるかもしれません。
しかし人はときに、普段の生活の奥にある人生について考えなおすことがあります。
天災や病気、就職や結婚、退職など……そんなときこそ、生きがいについて考えるタイミングといえるでしょう。
生きがいの見つけ方、探し方
生きがいを見つけるためのシンプルな質問
- あなたの人生で心から大切にしているものはなんですか?
について、考えてみましょう。
また、人生を5つの要素にわけて充実感を高めていく「PERMA理論」に対する理解も役立ちます。
エクササイズをやってみて、あなたの生きがいを見つけるヒントにしてみてください。