人生を変えたいとき失敗しない考えかたを知っている人と知らない人の違いとは?

「人生を変えたい」
人生を変えたい、そう真剣に悩んだことはありませんか?
私は、あります。
「毎日の生活は安定してるけど、本当にこのままでいいのだろうか?」
20代後半頃から、そんな漠然とした不安を抱えるようになってしまったのです。

もしかしたら、まわりの人に合わせようとしすぎていたのかもしれません。
「頭とこころの整理法」を考案したのも、そんな経験がもとになっています。
そこでこの記事では、そのような私の経験と、心理学やライフデザイン学の知見をもとに
- 人生を変えたいときの正しい考えかたとエクササイズ
- 人生を変えたいけど、どういう風に変えたいのかよくわからないときはどうすればいいか?
- 人生を変えるべきタイミングはいつ?
- 人生を変えたいときに気をつけるべき4つのポイント
について、わかりやすくお伝えします。

人生を変えるための条件と3ステップでできるエクササイズ
まずはじめに、人生を変えたいときに効果的なエクササイズを紹介します。
はじめに「考えかた」について説明します。
その考えかたをふまえて、次に「やりかた」を紹介します。

考えかた (1) 人生を変える方法なんて数え切れないほどある
どんな方法で人生を変えることができるのか?
これを知るのは、実は簡単です。
アマゾンで、「人生を変える」というキーワードで本を検索してみましょう。

6,000件以上の結果が表示されました。(2020年11月25日に検索)
その内容もさまざまです。
- 運動で人生を変える
- 記録で人生を変える
- 習慣で人生を変える
他にもサウナや南の島、コーヒーでも人生を変えることができるそうです。
これをみて、どう思いますか?

「人生を変える方法がこれだけたくさんあるんだったら、実は、なんだって人生を変えることができるんじゃないの?」
と、感じませんか?
そうなんです。
本当は、サッカーでもギターでもどんな方法でも、人生を変えることは可能です。
ただしひとつだけ、条件があります。
それは、
- あなたにとって大切な価値観が反映されているか?
です。
運動でも南の島でも、サウナでもなんでも構いません。
しかしあなたにとって、大切な価値観が反映されているか?
例えば、南の島に行くことが、あなたの人生にとって大切にしたい価値観を反映しているのか?
この条件をクリアしていないと、人生は変わりません。
では、この「価値観」って、なんなんでしょうか?

考えかた (2) 人生を変えるとは自分のありかたを変えること
ここでいう価値観とは、「アイデンティティ」と言いかえることができます。
あなたが「人生を変えたい」と考えたとしましょう。
そのとき、結果から変えようとするのではなく、アイデンティティから変えることを考える必要があるのです。
下図のイメージをみてください。

- 結果から変える:人生を変えるために何をすべきかを考える
- アイデンティティから変える:人生を変えるために自分がどうなりたいかを考える
本当の意味で人生を変えたいと思ったとき。
そのときは、結果から変えるのではなく、あなたのアイデンティティから変えることを考えてみてください。
アイデンティティが変われば、行動(プロセス)が変わり、結果が変わるからです。
アイデンティティとは、人生のおける「あなた自身のありかた」と言うことができます。
詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。
人生を変えるときに大切な考えかたは、以上です。
これをふまえて、具体的なエクササイズをやってみましょう。
3ステップでできます。
人生を変える3ステップ・エクササイズ
- あなたが大切にしている価値観を見極める
- 理想の人生を描く
- ギャップを埋める行動を見つけ実践する

Step1 人生をどんな方向に変えたいかをはっきりさせるための価値観の見きわめ
ステップ1では、あなたが大切にしている価値観を見きわめていきます。
価値観について
例えばあなたが、「調和」という価値観を大切にしていたとしましょう。
すると、「他人とは仲良くするべき」といった考えが生まれてきます。
その結果、意識せずともそれに従った選択と行動をするようになります。
価値観とは、このようにして、あなたの行動に影響を与えるものです。
では、あなたは、どのような価値観を大切にしているでしょうか?
シュワルツの10の価値観
このステップで具体的にやることは簡単です。
下記のリストを見て、あなたが大切にしたいと感じる価値観を探してみてください。
いくつ選ぶかも、自由です。
例えば私なら、「自律・博愛・善行」という感じでしょうか。
もしもわかりにくい場合は、こういう価値を大切にできる自分でありたいと思えるものを選んでみてください。

Step2 人生を具体的に変えるための理想を見つける
次のステップでは、あなたにとっての理想の人生を描いてみましょう。
ここでは「ライフ・ホイール」のエクササイズを活用します。
ライフ・ホイール(人生の車輪)とは?

ライフ・ホイールでは、人生におけるさまざまなテーマについて、あなたの関心と満足度を見つめなおすことができます。
- フィットネス・健康
- 職業・仕事
- お金・富
- 個人的成長・精神的成長
- 楽しみ・レクリエーション
- 愛情
- 友達・家族
- 環境・家
- クリエイティビティ・自己表現
- ライフスタイル・愛用品
- その他(他にあれば自由にテーマを決めてください)
ライフ・ホイールでは、塗りつぶしてある面積がおおきいほど、そのテーマについて満足していると考えます。
ご自身のおおよその感覚で構いません。
テーマごとに塗りつぶしてみてください。

すべてのテーマを塗りつぶしたら、それがあなたが選んだ人生のテーマに関する現在の満足度になります。
ここで、それぞれのテーマに対して「理想とする満足度」をちがう色で塗りつぶしてみてください。

完成したら、ご自身のライフ・ホイールを見なおしてみてください。
現在の満足度と理想とのギャップに注目してみてください。
このギャップを埋めていくことが、あなたの人生を変えるための具体的な行動になっていきます。


Step3 ギャップを埋める行動を見つける
ステップ3では、
- ステップ1であなたが選択した価値観を大切にしながら
- ステップ2のライフ・ホイールで描いた理想を実現するための具体的な行動を考える
ことをやってみましょう。
下図の例を見てみてください。
- 大切にしたい価値観:自律
- 取り組みたいジャンル:お金・富
- 独立して自分で稼ぐ方法について検討する
- 大切にしたい価値観:博愛
- 取り組みたいジャンル:愛情
- 休日にボランティア活動をはじめてみる
- 大切にしたい価値観:達成
- 取り組みたいジャンル:フィットネス・健康
- ダイエットで理想の体重をめざす
このような感じです。
紙とペンを用意して、実際に書きだしてみるとわかりやすいでしょう。
より詳しくは、頭に浮かんだことを書きだすスキル「ジャーナリング」の記事を参考にしてみてください。
しかし、ここで問題があります。

「人生を変えたいけれど、そもそもどういう風に変えたいのかよくわからない」
あらためて向きあってみると、自分のことがよくわからない。
そういうことって、意外とよくあるのです。
そこで第2章では、「人生をどんな風に変えていきたいかをはっきりさせること」について、みていきましょう。


人生を変えたいけどどういう風に変えたいのかよくわからないとき
人生を変えたいという、漠然とした気持ちはある。
でも、そもそも自分はどこを目指しているのか?
こういった悩みを抱えてしまうこと、実はよくあります。
そこでこの章では、「欲求」という観点から、あなたがどんな風に人生を変えたいのか? をはっきりさせてみましょう。

2-1. 人生の変化と欲求について
どういう風に人生を変えていきたいのか?
これを知るために、マズローという心理学者が考えた「人間の欲求の段階」を活用してみましょう。
1) マズローの欲求段階説
心理学者マズローによれば、人間の欲求は5つの段階にわけることができます。

- 生理的欲求
生きていくために必要な基本的・本能的欲求。食欲や睡眠欲など。 - 安全の欲求
安全で安心できる生活への欲求。 - 所属と愛の欲求
集団への帰属や愛情を求める欲求。家庭や友人から受け入れられたいという気持ちなど。 - 承認の欲求
他人から尊敬されたい、認められたいという欲求。 - 自己実現の欲求
あるべき自分でありたいと願う欲求。
2) あなたの人生を変えたい気持ちはどの段階にあるか?
あなたの「人生を変えたい」という気持ちは、どの段階にあてはまるでしょうか?
自分がどのような欲求をもっているかがわかれば、人生を変えるべき方向性もみえてきます。
例えば、安定した生活を求めている(安全の欲求)ならば、支出や収入、健康面の見なおしなどが必要になるでしょう。
また例えば、他人から認められたいと思っている(承認の欲求)ならば、家庭内や社内でどのように活躍するか?ということを考えていく必要があります。
3) 人生を変えたいけど変えられない原因
とはいえ多くの人は、「人生を変えたい」と思いながらも、なかなか一歩がふみだせません。
なぜか?
そこには「ジレンマ」が存在するからです。
特に、自己実現の欲求には、複雑な一面があると言われています。
例えば、会社員として安定した生活をしていたけれど、会社を辞めて画家をめざす。
自己実現の欲求にしたがって人生を変えようとすることは、このように現在の安定した生活を壊してしまう可能性があります。

ときとして人は、このようなジレンマのなかで葛藤し、一歩を踏みだすことが難しくなるのです。
4) 自分らしい生きかたとは
ジレンマを抱えたときにおすすめしたいのは、「自分らしい生きかた」について知ることです。
自分らしさについて深めることで、理想と現実のジレンマを解消できることがあるからです。
そして実は、自分らしい生きかたとは、「あなたが思わずやってしまうこと」に隠されているのです。


人生を変えるべきタイミングについて
第3章では、人生を変えるべきタイミングについてわかりやすく解説していきます。
どんなときに、人生を変えるべきか?
ここでは、
- アイデンティティを見失ってしまったとき
と考えてください。
アイデンティティを失ってしまうと、あなたの人生が漂流してしまうからです。
ではどんなときに、アイデンティティを見失いがちでしょうか?

アイデンティティを見失ってしまうときほど人生を変えるべきタイミングが訪れる
私たちは人生の中で、何度かアイデンティティを失う危機が訪れます。
自分のアイデンティティを見失っているときほど、「人生を変えたい」と感じることが多くなるのではないでしょうか?
そこで、人生を変えるべきタイミングとして、よくある3つのパターンを紹介します。
1) ライフイベント
就職、恋愛、結婚。
人生にはさまざまなイベントがあります。

就学〜就職〜転職〜恋愛〜結婚〜出産〜子育て〜教育〜老後〜病気〜死
このような、人生で一般的に体験するイベントのことを「ライフイベント」といいます。
ライフイベントは、人生が大きく変化するきっかけとなるできごと、ともいえるでしょう。
ライフイベントに遭遇することで、生活は大きく変化します。
しかし、自分の内面にある価値観が、その変化についていけないことがあるのです。
例えば、
「安定した会社に就職することができたけれど、なんとなく物足りない。学生のとき部活に打ち込んだように、もっと真剣に取り組めるものがほしい」
など。
このような、生活上の変化に対して、自分の内面が対応できないとき、「人生を変えたい」と考えるきっかけになることがあります。
2) 個人の発達
特定のライフイベントに遭遇しなくても、人は発達という変化をとげていきます。
「レヴィンソンによる発達の段階」から抜粋して紹介しましょう。

- 成人への過渡期
大人の世界の可能性を模索し、一歩を踏みだす時期 - 大人の世界へ入る時期
自分と大人の社会との間をつなぐ仮の(とりあえずの)生活を築く - 30歳の過渡期
大人の世界へ入る時期に築いた生活の欠陥に気づき、これを解決しようとする時期 - 一家を構える時期
これまでの人生の選択にとりあえず満足し、家族を築く時期。社会的な居場所の確保や成功をめざして努力する時期でもある - 人生なかばの過渡期
「これまでの人生なにをしてきたのだろうか?」と再び生活に疑問を抱き、解決使用とする時期
個人差はあると思いますので、ひとつの目安として参考にしてみてください。
このように人生を俯瞰することで、あなた自身の、「人生を変えたい」という気持ちを整理するヒントになるはずです。
3) 家族のライフサイクル(シャインのモデル)
人は生まれたとき、家族に属しています。
しかし、いずれは自分で家族を築いていくことを考えなくてはいけません。
それ以外にも、結婚するか、しないのか? 子どもを持つか、持たないか?
このような家族構成の変化にともなって、自分の人生も大きく変化します。
以下の表は「シャインのモデル」から抜粋したものです。
段階 | 直面する課題 |
---|---|
未婚の成人 | 異性との関係を管理する 結婚するかしないか決める 結婚ないし同居の相手を探し出す |
既婚の成人 | 相手と同居することを学び、相手の欲求に適応する 自分の世帯を持つ 子どもを持つかどうか決める |
年少児の親 | 子どもの世話の現実に適応する 複数の子どもという現実に対処する |
青年の親 | 子どもたちの独立の欲求と反抗に対処する 子どもたちの門出による人生の役割、ライフスタイルの変化に備える |
成長した子どもたちの親 | 子どもたちの門出による親の役割の喪失と自由の再獲得に対処する 配偶者と新しい関係を築く 金銭的または情緒的に自身の両親に対する責任を引き受ける |
祖父母 | 小さな子どもとの関係を確立する 親の役割にある自分の子どもたちに対処する |
このように見てみると、あなたご自身が現在、直面している課題もあるのではないでしょうか?

人生を変える → 人生をデザインするという発想
このように、私たちの生活が大きく変化するときは、内面的にも変化を迫られることがあります。
新しい生活に見合ったアイデンティティを再構築する必要があるのです。
ほとんどの人は、自身のアイデンティティについて、あらためて意識することはないかもしれません。
だからこそ、「人生を変えたい」と感じたときは、あなた自身が大切にしている価値観について、あらためて見きわめていくことが大切になるのです。
なお、「自分はどんな人生を送りたいか?」について考えることを「ライフデザイン」といいます。


人生を変えたいときに気をつけるべき4つのポイント
最後のこの章では、人生を変えたいと考えたときにこそ、気をつけるべきポイントについて紹介していきます。

人生を変えたいときに気をつけるべき4つのポイント
「人生を変えたい」という気持ちは強いものです。
なので、うっかり間違った選択をしてしまうこともあります。
人生を無駄にしないために、次の4つのポイントについて気をつけてください。
1) うまい話
知人からもちかけられるうまい話にはウラがある。
あなたもきっと、似たような話を聞いたことがあるはずです。
簡単に手に入れられるものは、簡単に失ってしまいます。
人生を変えたいと思っているときにかぎって、こんな話が舞い込んでくることが、よくあるのです。
2) 悪いこと
人生を変えたいと思うあまりに、やってはいけないことに手を出してしまう。
難しいのは、「まわりのみんながそれをやっているから」といった理由で手をだしてしまうことです。
組織として売上をあげるために、強引な販売手法をとってしまう。
そんなニュースを聞いたことも、あるかもしれません。
人生を変えたいときこそ、倫理的な行動を心がけるとよいでしょう。
3) 道を踏みはずすこと
これは、怪しげな団体に所属してしまうとか、不倫関係におちいってしまうといったことです。
他にも依存症や中毒など、一歩、道を踏みはずしただけで、人生に迷ってしまうことがあります。
4) 非現実的なこと
いくつになっても、夢をみるのは素晴らしいことです。
ですが大切なことは、それを実現するための現実的で具体的な行動があるかどうか? ということです。
あまりにも非現実的なことに取り組むのは、人生の無駄です。
年齢的な問題や社会状況なども考慮にいれて考えましょう。

人生を変えるために自分を知る
結局のところ、人生を変えるといっても、自分自身についてよく知っている必要性があります。
記事でも紹介したように、あなたのアイデンティティを反映させた方向に変えていくことが、大切だからです。
自分を知るためには、下記の記事を参考にしてみてください。