将来が不安な気持ちはどこからくるのか?
あなたは将来の不安を感じることがありますか?
仕事、恋愛、出産……
考えれば考えるほど、不安が募ってしまいますよね。
でも、心配はいりません。
不安を感じることは、ある意味では「よいこと」ともいえるからです。
10年以上前のことになりますが、私も仕事を失って、先行きの見えない将来が不安になって頭を抱える毎日が続きました。
試行錯誤の末、そこからうまく立ち直れた経験をもとに
- そもそも不安とは何か?
- 将来に不安を感じる理由
- 将来の不安への対処法
について、わかりやすくお伝えしたいと思います。
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将来の不安を「見える化」すると
まずは、あなたが抱えている将来の不安について、それを「見える化」してみましょう。
というのも、あなたと同じような不安を抱えている人が、他にもいる可能性があるからです。

1-1. 生活は豊かになったのに不安な人が増えている
例えば、日常生活で悩みや不安を感じている人は、どれくらいいると思いますか?
令和元年6月の世論調査によりますと、60%以上の人が、生活に関する悩みや不安を感じているそうです。
悩みや不安を感じている人と、そうでない人の推移もみてみましょう。
昭和56年(1981年)~令和元年(2019年)の期間で、悩みや不安を感じている人(青)と、そうでない人(緑)をグラフ化してみました。
- 悩みや不安を感じている人とそうでない人の差がもっとも大きかったのは、平成20年(2008年)で、約70%の人が不安を感じていた
- ここ10年間は、悩みや不安を感じている人は徐々に減っている印象。
- 調査開始時の昭和56年(1981年)に悩みや不安を感じている人は約55%。現在はそれよりも約8%ほど増えている
約30年前にくらべて、生活は豊かで便利になったはずなのに、悩みや不安を感じている人は増えていることがわかります。

1-2. 具体的に不安に感じることは「健康・お金・人間関係」
ではもっと具体的に、どんなことに悩みや不安を感じているか? をみてみましょう。
こちらのページの「悩みや不安の内容」から上位7つを紹介します。
悩みや不安の内容
- 老後の生活設計
- 自分の健康
- 家族の健康
- 今後の収入の見通し
- 家族の生活上の問題
- 勤務先での仕事や人間関係
- 家族・親族間の人間関係
これらをまとめますと、健康・お金・人間関係の不安といいかえることができるでしょう。
もちろん、例外もあるはずです。
ですが、私たちの将来の不安は、主にこの3つの分野にある、と考えることができるのではないでしょうか。
1-3. 20代の将来の不安をみてみると
さらに、20代の将来の不安についてみてみましょう。
こちらのアンケートでは、20代が抱える将来の不安について紹介されています。
20代が抱える将来の不安
- お金
- 仕事
- 結婚
20代では、3位に結婚についての不安があがってきています。
ここからは予測になりますが、「将来、結婚できるかどうかの不安」は、20代後半、30代前半まででさらに高まってくるのではないでしょうか?
また年代が高くなるにつれて、健康に対する不安、老後の生活設計に対する将来の不安が高まってくると予測されます。
この章のまとめ
この章では、人々がどんなことに不安を感じているか? についてみてきました。
- 生活は豊かで便利になったけど不安な人が増えている
- 健康やお金、人間関係といった分野で不安を感じる人が多い
- 年代ごとに不安に感じることに違いがある
では次に、私たちはなぜ将来に不安を感じるのでしょうか?
その原因を探ってみましょう。

なぜ将来に不安を感じるのか?
私たちはなぜ、将来に不安を感じるのでしょうか?
手はじめに、「時代の変化」という観点からみてみましょう。

2-1. 将来の不安の源泉「リスク」とは?
特徴としてあげられるのが、私たちは生活していくうえでのリスクが高まってきているということです。
リスクとは、
- 発生してほしくないことが、どれくらいの確率で起こるのか?
- そしてそれが発生すると、どれくらいひどいことになるのか?
ということだと考えてください。
例えば、
発生してほしくないこと | 結婚(したいのに)できない |
どれくらいの確率で起こる? | 自分の年齢があがるごとにその確立は高くなる傾向にある |
どれくらいひどいことになる? | 孤独で寂しい人生を送ることになる |
私たちはひとことで、「それはリスクが大きい」などといいますよね。
実はその中身は、このように3つの要素に分解して考えることができるのです。
では、リスクと将来の不安とは、どんな関係があるのでしょうか?
1) 私たちは個人でリスクに対処しなくてはいけなくなった
近代化以降、私たちの生活は便利になりました。
自由度が増し、選択肢が増えたのです。
しかし自由度が増したことにより、選択することが「自己責任」となってしまいました。
女性は、結婚して子どもを二人くらい産んで、専業主婦として家事と子育てをする。
男性は、安定した企業に就職し、終身雇用制のもと定年まで働き、引退後は年金生活をする。
私たちの親、またはその上くらいの世代の人たちは、このようなモデルのなかで生活してきました。
選択肢が限られている代わりに、家族や会社が個人的なリスクを背負ってくれていたともいえるのです。
2) 家族も会社もリスクとなる可能性
しかし現代では、家族や会社がリスクとなり得る時代になってしまいました。
家族の間の結びつきは希薄となりました。
また「自由恋愛」や「結婚しない自由」という選択肢も増えました。
そのため「結婚できないリスク」が高まってきている、ともいえます。
現在の会社の平均寿命は約24年です。
ですが、私たちの定年は70歳、75歳くらいまで延長される可能性があります。
誰もが倒産や転職を経験し、さらにそれに対して、個人で対処しなくてはいけない可能性が高まってきているのです。
3) 個人でリスクに対処する時代に
誰もが、このようなリスクにさらされるわけではありません。
ですから将来に対して、必要以上に不安を感じる必要はありません。
しかしひとつの傾向として、これからは「リスクの個人化」が進んでいくでしょう。
個人でリスクに対処しなくてはいけない必要性が高まっているのです。
モノが増え、便利になったはずの現代ですが、私たちの将来の不安は消えません。
これはひとつには、このようなリスクの個人化が進んでいることが原因といえるのではないでしょうか?

2-2. 不安を感じやすい人
次に、もう少し個人的なことをみてみましょう。
例えば同じ状況にあっても、不安を感じる人と、そうでない人がいます。
1) 個人の性格
不安を感じやすい人とそうでない人の違いのひとつは「性格の違い」として考えることができます。
自分の性格を診断するためには、下記のテストを試してみてください。
特に「神経質傾向」のレベルが高い人は、さまざまなことに不安を感じやすい傾向にあるといえます。
2) 過去の経験
過去の経験が、現在や将来の生活の不安をひきおこすこともあるでしょう。
例えば子どもの頃、犬にお尻をかまれて痛い思いをした。
大人になってもそのときの経験を覚えていて、散歩中の犬をみただけで、また噛まれるのではないかと不安になってしまう。
このように、過去の経験の影響を受けて、ある特定のできごとに不安を感じている可能性もあるでしょう。

2-3. 将来に不安を感じるとき
人生の特定の時期において不安を感じることもあります。
例えば、
- 就職したばかりでまだ仕事がよくわからないとき
- 先の新型コロナウイルスによる自粛期間などの社会不安が増大しているとき
- はじめての子どもが生まれるとき
このような人生が大きく変化するタイミングでは、将来のことを考える機会も増えますが、不安定な時期だけに不安感も高まるといえます。
ただしそれは、一時的なものであることも多いです。
例えば、はじめての出産のときは、不安も大きいものです。
ですが、元気に生まれてきて泣いている赤ちゃんの顔をみれば、それまでの不安は吹っ飛んでしまうことでしょう。
この章のまとめ
この章では、将来の不安を感じる理由についてみてきました。
- 社会の変化(リスクの個人化)
- 個人的な性格や人間性
- 人生が変化するタイミング
これらの原因が重なりあって、私たちは将来に対する不安を感じると考えることができるのではないでしょうか。
では、ここまでの内容を踏まえて、具体的に将来の不安に対処するにはどうすればよいか? をみていきましょう。

将来の不安に対処する方法
将来の不安に対処する方法を紹介します。
まずは不安の対処法の基本を紹介します。
そのうえで、将来の不安に対処する方法についてみていきましょう。

3-1. 不安の対処法の基本
まず、そもそも不安を感じることはよくないことなのか? ということについて考えてみましょう。
実は、不安を感じることそれ自体は、悪いことではありません。
不安を感じるということは、何かしらの「危険信号」を察知しているようなものです。
危険を感じるあなたのセンサーが発動している、と考えてください。
ということは、その危険について詳しく知ることができれば、安全な行動ができる可能性が高まるともいえるのです。
例えば、将来の健康に対する不安を感じたから禁煙をする、といったようなよい習慣を身につけるきっかけにもなるでしょう。
- 不安な気持ちを利用して、よりよい人生を送れるようになる
これができるならば、不安を感じることは、むしろよいことだといえるかもしれません。
ではそのためには、どうしたらよいでしょうか?
1) 漠然とした不安のままで放っておかない
覚えておきたいのは、
- 不安を感じることそれ自体は悪いことではない
- けれど、その不安を漠然としたままで放っておくのはよくない
ということです。
不安を漠然とした不安のままで放っておくと、その不安が現実になってしまうこともあるからです。
例えば、「このままでは将来、結婚できないかも……」という不安に襲われたとします。
しかしなんとなく、日々の忙しさや気軽な楽しさに流されてしまい、その不安を見てみないフリをしてしまう。
これでは本当に結婚のチャンスが逃げていってしまいます。
2) 自分が感じている不安を見つめる
そこで、不安を不安のままで放っておかないためには、
- 自分が感じている不安について、きちんと見つめなおしてみる
ことが大切になってきます。
よく見つめなおしてみたところ、「やっぱり将来的には結婚したい」と感じたならば、そのための具体的な対処法を考えていくべきです。
不安それ自体は、特に怖いものではありません。
不安から目をそらして避けてしまうことのほうが、デメリットが大きいです。
不安をきちんと見つめ、対処法を決めてあげましょう。
3) 自分が感じている不安について書きだす
ではそのためには、どうしたらよいでしょうか?
すぐにできる効果的な方法があります。
- 自分が感じている不安について書きだすこと
書きだすことによって、不安を少し離れたところから、客観的に見つめることができます。
客観的に見つめることで、不安にとりつかれず、冷静に対処法を考えることができるでしょう。
4) 不安を安心して忘れられて、必要なときに思いだせる仕組みをつくる
あなたが不安に感じていることを安心して忘れることができて、必要なときに思いだすことができる。
そんな仕組みをつくることができれば、日々の生活における不安感とうまく付き合えるようになります。
そのためにおすすめの方法が、「頭とこころの整理法」です。
もし今、あなたに、気になっていることや不安に思うことがあれば、ぜひ試してみてください。

3-2. 将来の不安に対処する方法
自分が感じている不安について書きだすことで、不安に対処することができる。
この基本を踏まえて、将来の不安に対処する方法を紹介していきましょう。
1) 対処できない不安を見きわめる
私たちの生活は便利になりました。
しかしもちろん、それでも「選択できないもの」があります。
例えば、私たちが生きていく時代を選択することはできませんよね。
選択できないものに対して不安を感じても、どうすることもできません。
あなたが感じている将来の不安は、対処することできるものなのか? できないものなのか? をまず見きわめる
これが大切です。
2) 将来の不安を仕分けする
将来の不安についてよく見てみると、具体的なものと、そうでないものがあります。
将来の不安について、簡単に仕分けをしてみましょう。
- 「具体的な悩みや問題なのか? 漠然とした不安なのか?」を仕分けしてみましょう。
- 具体的な悩みに対しては「問題解決」について、漠然とした不安に対しては「目標達成」について考えてみましょう。
例えば、下記のような感じです。
病院に行って検査してもらう
適度な運動など、健康面を充実させる活動をする
3) 漠然とした将来の不安に対処するための具体的な活動を参考にする
将来のことはわからないので、どうしても漠然とした不安になりがちです。
そこで漠然とした将来の不安に対処するための活動について、いくつか具体的な例をあげておきますので、参考にしてみてください。
健康(身体と心の健康)
- 栄養・食事への意識を高める
- 定期的な運動をする
- 趣味や社会活動に参加する
お金
- スキルアップのための学び直し
- 副業や複業の検討する
- 定年後の仕事の準備をする
人間関係
- 地域活動やボランティアへの参加
- 趣味活動を楽しむ
- 利害関係のない友人との交友を深める
4) 将来の生活の不安に対処するために人生のセーフティネットを構築する
先ほどもお伝えしたように、これからの時代は「リスクの個人化」が進むと予想されます。
そんな将来の不安に対処して、生活を守るためには、どうしたらよいでしょうか?
リスクが個人化してしまう以上、そのためのセーフティネットも自分で構築する必要があります。
そのためには、3種類のセーフティネット(3つの「助」)のバランスが大切になってきます。
- 自助:自分で稼ぐ、自分で蓄える、自分で守る
- 共助:地域社会や趣味活動、ボランティアや友人などとの「つながり」を通してお互いを助けあう
- 公助:社会保障や公的な制度を活用する
共助や公助が大切なのは、人生では、個人では対処できないリスクに遭遇する可能性もあるからです。
将来の生活の不安に対処するために、いま紹介した3つのセーフティネットを充実させていくように心がけましょう。

まとめ
この記事では、「不安」というものについて深く掘り下げ、具体的な将来の不安に対処する方法を紹介してきました。
最後にもう一度、お伝えしたいことがあります。
それは、不安を感じることそれ自体は決して悪いことではない、ということ。
あなたの「危険を察知するレーダー」が発動したんだ、と考えて、うまく安全な道を進んでいけるよう工夫してみましょう。
人生には、不安を感じていても進まなくてはいけないときが、たまにあるかもしれません。
そんなときのためにも、「不安を感じたら書きだして見つめる」ことを習慣にしておくことをおすすめします。
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