HSPとは?

HSP とは、「とても繊細な人」のことをいいます。

エレイン・アーロンという心理学者によって、1990年代に提唱されました。

実はこの「HSP」という言葉、精神医学や臨床心理学の分野では、いままであまり相手にされてきませんでした。

しかし一般社会では、「私にも心あたりある!」と感じる人が現れてきたのです。

職場や家庭生活でなんとなく感じていた「生きづらさ」や「気疲れ」の正体、それは「繊細すぎること」だったんだ――

という感じで、日本でも認知が進んできているのです。

HSP かどうかを診断するには?

もしもあなたが「私も HSPかも?」と感じた場合、どうしたらよいでしょうか?

まずは、下記のエレイン・アーロン公式サイト(日本語)の診断をしてみてください。

とてもシンプルなテストで、3分ほどで終わります。

診断テストは目安として考えよう

HSP の診断テストは他にもありますが、目安程度に考えておくとよいでしょう。

なぜなら、HSP かそうではないか? を厳密に区別することはできないからです。

デンマークの心理療法家イルセ・サンはその著書で、HSP をタイプに分けてしまうことの危険性について触れています。

  • わかりやすい反面、自分の型にはめてしまう可能性がある
  • タイプに縛られ、本来の自分とは違う自分を演じてしまう可能性がある
  • タイプに縛られ、自分が成長したり、変わることができるという事実を見逃してしまうことがある

そこでまずは、HSP の特徴についてみてみましょう。

静かに考えているイメージ

HSP の特徴 DOES とは?

HSP の特徴について、詳しくみてみましょう。

アーロン博士が提唱した HSP の特徴として「DOES(ダズ)」というものがあります。

  • 処理の深さ(Depth of processing)
  • 刺激を受けやすい(Overstimulated)
  • 感情的反応性・高度な共感性(Emotional reactivity and high Empathy)
  • 些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to Subtle stimuli)

処理の深さ

HSP は、ものごとを深く考える傾向があるとされています。これは慎重さにつながりますが、考えすぎてしまうことによる行動力のなさにつながることもあります。

刺激を受けやすい

HSP は、感覚が敏感です。表情やちょっとした仕草からの他人の感情・気温の変化・かすかな音・肌に触れる繊維の感覚などから刺激を受けやすいといわれています。

感情的反応性・高度な共感性

HSP は、他人が何かをしたり感じたりしていることをまるで自分のことのように感じることがあります。「ミラーニューロン」という神経細胞の働きが活発なことが、その原因として考えられています。相手に共感する能力がある一方で、共感しすぎてしまうこともあります。

些細な刺激に対する感受性

HSP は、人や環境における小さな変化に気づきやすいです。他人の髪型や、場所やものの配置、ちょっとした言動などの些細な変化を敏感に察知します。

しかし実は、性格の特徴や病気・体調不良などからも HSP と似た傾向をみてとることができるのです。

次に詳しくみてみましょう。

花瓶の花のイメージ

HSP は性格の特徴のひとつですが、病気や体調不良でも HSP 的な症状が現れることがあります

研究では、HSP は病気ではなく、生まれつきの気質であるといわれています。

気質とは、「性格の特徴のひとつ」と考えてください。

では、HSP とはどんな気質のことをいうのでしょうか?

性格心理学の「5因子モデル(ビッグファイブ)」に基づいて考えてみますと

  • 外向性:外向性が低くて
  • 神経質傾向:神経質傾向が高い

つまり、「内向的で神経質な人」と表現することができます。

ただし HSP には、「外向的で神経質な人」も少数存在します。

5因子モデル(ビッグファイブ)とは、性格の特性を表す有名な考えかたです。

HSP とはなにか? について、性格という観点から考えるならば、

ビッグファイブの性格特性における特徴的なパターンを HSP と呼ぶ

ことができると思います。

ただし、内向性と神経質傾向だけでは、HSP のすべてを説明することはできません。あくまでも5因子モデル(ビッグファイブ)という観点からみればそうなるだろう、ということです。

HSP を性格の特徴のひとつとしてとらえる方法

HSP は病気ではなく、性格の特徴のひとつです。

であるならば、「あなたの全体的な性格」という観点からも、あなた自身を理解してみてはどうでしょうか?

それによって、HSP 以外の特徴についても理解することができるからです。

あなたの HSP 以外の性格的な特徴について理解してみましょう。

これによって、生きづらさの解消や、より充実したライフスタイルを送るためのヒントも見えてくることでしょう。

HSP は病気ではないが、病気や体調不良で HSP 的な症状が現れる場合がある

研究ではなく、実際に人と関わる「現場」からも HSP とは何か? について見てみましょう。

実は臨床の世界では、病気や体調不良などによっても、HSP 的な症状が現れることがあります。

専門的には「HSP」ではなく「過敏症」と呼びます。

例えば、

  • 発達に障害を抱えている可能性
  • ショッキングなできごと(心の傷)によって過敏症を発症している可能性

これらによっても、HSP 的な症状(過敏症)がみられることがあるとのこと。

「HSP という言葉は、精神医学や臨床心理学の分野では、あまり相手にされていません」とはじめに書きました。

これがその理由です。

診断テストや、HSP の特徴「DOES」に当てはまるからといって、単純に「HSP」として断定してしまう。

これでは過敏症や、その背後にある発達の障害、また抱えている心の傷に対応することが難しくなってしまう可能性も否定できません。

HSP は、実は鈍感さも持ち合わせている?

繊細すぎる、敏感すぎるといわれる HSP。

過敏症という観点から見つめると、繊細であると同時に、鈍感さを持ち合わせていることもあります。

  • 身だしなみの乱れに無頓着
  • 冗談がわからない
  • 相手の不快な反応に気づきにくい
  • 会話の最初のひとことを聞き逃しがち
  • 案内板に気づかないことがある

もしあなたに HSP の傾向があり、同時に上記のような鈍感さも持ち合わせている場合は、過敏症の可能性もあります。

その場合は、医師に診断してもらうことをおすすめします。

まとめ:HSP とは意味がない言葉なのでしょうか?

このように見てみると、HSP とは何か? という考えかたは、意味がないことなのでしょうか?

私は、そうは思いません。

「HSP というタイプに分ける」ということは、なによりも「わかりやすい」というメリットがあります。

一般社会に広まるには、わかりやすさが大切です。

その結果、生きづらさを解消するきっかけをつかむことができた人は、たくさんいらっしゃるはずです。

しかし、HSP 的な傾向やそれに関する生きづらさは、自分の人生に関わることでもあります。

ですから、その周辺の知識や考えかたについても、深く知っておく必要はあるのではないでしょうか?

私自身も HSP 的な傾向を感じながら過ごしてきました。

HSP や内向型に関連する本を何冊も読んだのですが、いまいちピンとこない部分がありました。

そこで、「そもそも HSP とは何なのか?」という観点から、さらに関連する本をあれこれと読んでみて、

  • HSP とは性格(ビッグファイブ)の特徴のひとつである
  • 病気や体調不良、心の傷などから HSP 的な症状が現れることもある

この2つの考えかたを知ることによって、日々の生活を改善するきっかけをつかむことができました。

この記事は、もしかしたら「私と同じように悩んでいる方もいらっしゃるかも」と考えて書きました。

参考になれば嬉しいです。

参考書籍・ウェブページ

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