人間には欲望があります。

そして、喚起された欲望は、それを手にいれることができそうな状態になるほど高まっていく傾向があります。

最初から無理だと思うのであれば、そもそも欲望が湧き起こることもありません。

しかし、手に届きそうだと感じた途端に、欲しくなる。

そのような観点からいえば、人生において「はじめから下手な夢はみない」という現実的路線を歩んでいくことも決して間違いではないのかもしれません。

しかし、「中途半端に成功するよりも、思い切りやってさっさと失敗してしまう」という方法もあります。

つまり、中途半端な成功というものは、もうすこし頑張ればさらなる欲望を手にいれられそうな状態であるともいえますが、実際にさらなる成功を手にすることができるかどうかは別問題であって、そこに不満が発生する可能性がある、ということです。

対して完全にやりきってしまえば、欲望の連鎖はそこで終了となります。ですからある意味、結果にかかわらず満足感が残るともいえるでしょう。振り返ってみれば、若い頃に体験したちょっとした冒険やそれにまつわる失敗談というものが、微笑ましい思い出として心の中に残っている、という人も多いのではないでしょうか?

もちろんこれは、失敗というものに対するリスクをコントロールしていくことが前提となるでしょう。とりかえしのつかない失敗をしてしまったならば、いつまでもそれに苦しめられることにもなりかねません。

見かたを変えれば、たとえ成功できなくとも「挑戦した」という体験を得ることができれば、人生において十分に満足できる可能性はあるともいえます。

このようなことを踏まえて考えてみると、本当の意味での挑戦というものもは、ある程度、人生経験を積んだ大人にこそできるものである、ともいえるでしょう。