以前の私は、「知識や情報を整理するために、どのようなツールを使うべきか?」ということで悩んでいました。

なぜならば、そうすることによって作業効率がよくなったり、生産性が高まったりして、結果的に私の生活をよりよい方向へと変えてくれるのではないか? と考えていたからです。

しかし、読書について という本を読んだとき、はじめて整理に関する要諦とでもいうべきものを自分なりに理解することができました。

数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効用はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であればすぐれた効果をおさめるが、知識のばあいも事情はまったく同様である。

読書について 他二篇 ショウペンハウエル著,斎藤 忍随 翻訳(岩波文庫 1983)

要するに、量より質が大切であるということらしいーーこのシンプルな考えかたにしたがって知識や情報の整理を心がけていけば、最終的には「知恵」とでも呼べるような応用的なものへと、質的な変化をしていくこともあるのかもしれない。

そのように考え、この記事では、個人的に体得したその方法を紹介することにより、「知識や情報をどのように整理していったらよいのか?」と悩んでいらっしゃる方のヒントになるような情報をお伝えしたいと思います。

なおこの記事は2012年に「知識や情報をうまく整理整頓するためのツールと手法」というタイトルで公開しましたが、内容がおおきく変わってきましたので、2017年12月に加筆修正し、あらためて公開しました。

知識や情報が整理されているとはどういう状態か?

知識や情報が整理されるということは、どのような状態なのか?

これについて私は、「あるテーマについて自分の意見を述べることができる」ということを、ひとまず「知識や情報が整理された状態」としています。

例えば、「時間術」。

私たちにとってもっとも貴重な資源ともいえる時間を、どのように活用していくべきなのか?

このようなテーマについて、「私はこう思う」ということを述べることができるという状態、これを「知識や情報が整理されている状態」と呼んでいます。

もちろん「私はこう思う」についてもいろいろなレベルがあり、「なんとなくそう思う」というレベルもあれば、「学校で研究していました」というレベルもあると思います。

しかしここでは、そういったことにはこだわらず、まずは「そのことについて、私はこう思う」という意見を述べることができるかどうか?ということを重視していくことにします。

……というわけでこのように考えていくと、まずは、自分がどのような知識や情報を必要としているのかを明確にしていく必要がある、ということがいえるのではないでしょうか?

なんのために知識や情報を得るのか?

では、自分が必要としている知識、情報を明確にしていくにはどのようにしたらよいでしょうか?

先ほどご紹介した本のとおり、量より質を心がけ、それをきちんと整理していくということが、ここで紹介する手法のポイントとなります。

例えば、以前、Evernote(https://evernote.com/intl/jp/) を「外部の脳」とか「第二の脳」といって、とにかく気になる情報を Evernote にクリップするということが流行った時期がありました。

しかし実際にやってみると断片的な情報が集まるだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

これは結局のところ、外部の脳をあやつる「内部の脳」、つまり まずは自分の頭が重要であるということ だと思います。

そしてくりかえしになりますが、そのためには 「なんのために知識や情報を得る必要があるのかという目的」が明確になっている必要があるのではないでしょうか?

なぜならば、 目的が明確でなければそもそも整理する必要もない と思うからです。

ではそのためにどうすればよいか?

知識や情報を得る目的を明確にする。そのためにまず情報デトックスをおこなう。

これをおすすめしたいと思っています。

情報デトックスの具体的方法

デトックスには「解毒」というような意味があります。

一般的には、体内の毒素や老廃物を排出する、というような意味で用いられることが多いようです。

しかしここでいう「情報デトックス」とは、情報を体から排出するというよりは、触れる情報を制限するというような意味だと考えてください。

ではなぜ情報デトックスが必要か?

これは、情報を整理する「自分の頭の中」が整理されている必要があるからで、結局のところ、整理という作業をおこなうのは自分の頭なので、ここが整理されていなければ、効率がよくないからです。

ですから情報デトックスですっきりさせてしまおう、という魂胆です。

というわけで、テレビ、ブログ、メルマガ、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターの閲覧をやめる

当然のことながら個人差はあると思いますが、意識的にテレビやスマホ、ネットから離れた生活をすることは、頭の健康(といえばよいでしょうか?)のためには効果的である、と実感しています。

ですからあなたも、可能な範囲でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

  • ネットをみない日をつくる
  • 寝室にスマホを持ち込まない
  • SNS からログアウトする

最初はつながっていないことに不安を感じるかもしれません。

しかし、実はネットにつながっていなくても普段の生活においては特に支障がない、ということがわかれば、これだけでもかなり頭がすっきりする、ということが実感できると思います。

本屋にでかける

そのうえで、できるだけ大きな本屋にいってブラブラします。

このときに、大量の本に囲まれることによって知的好奇心がうまく刺激され、「知識や情報を得るための目的」が明確化できればベストですが、まだ明確化できないという場合は、まずは気になった本を乱読することからはじめてもよいかもしれません。

私の経験ですが、400〜500冊目くらいから、徐々にですが、「自分なりの本の選びかた」というようなものをつかむことができるようになり、前述した「知識や情報を得るための目的」についても明確になってきたように感じています。

私の中でポイントとなったのは、「できるだけ難しそうな本をえらぶ、知的に背伸びが必要そうなできる本にチャレンジしていく」ということと、「テーマを見つけたら、似たような本をできるだけまとめ買いする」、ということです。

この点については、信頼できる本読みの先生や先輩がいる場合は、「次はこの本を読むといい」などと教えてくれる場合もありますから、その方のアドバイスに従うとよいでしょう。

さて特定のテーマについての知識や情報を得たいと感じたならば、可能なかぎりまとめ買いします。

本を買うまえにどこを読むか?

ただしいわゆる「タイトル買い」、つまり書名や表紙をみただけで衝動的に購入する、というのはあまりおすすめしません。

なぜかというと、書名や表紙というのはいちばん目立つ部分ですから、やはりできるだけ売れるような工夫がされている場合が多く、それ自体は問題がないのですが、そのぶん、内容がそれに見合っていないようなケースも考えられるからです。

ですので、実店舗にて実際に本を手にとって、可能なかぎり、下記の項目を確認します。

  • はじめに
  • 目次
  • あとがき

これでなんとなく「この本はなにがいいたいのか?」とか「自分にそれが理解できそうか?」とか「自分はそれに興味があるか?」などがつかめるので、そのうえで購入するかどうか? を判断します。

ただし、「はじめに」も「目次」も「あとがき」も、本の内容としては重要度が高い箇所であります。ですから、あえて真ん中あたりをパラパラとめくってみることも、ときとして必要かもしれません。(推理小説などはのぞく)

同じテーマの本をたくさん買うメリット

上の写真では「睡眠」がテーマになっています。

その目的は「より良い睡眠をとることによって日中の活動の質と量を高めていきたい」というようなもの。

同じテーマの本をまとめ買いするのは、その本に書かれている情報に偏りがあった場合を防ぐためと、重要であろう情報などに目星をつけるためで、個人的には3冊くらいは選ぶようにしています。

すると実は、内容が重なる箇所が結構あります。逆に、他の本では触れていない箇所については著者の独自性のようなものが発揮されているとも考えられます。

また、同じテーマの本を何冊も読むと、読書スピード、つまり速読力があがることが実感しやすくなるという効果があります。

なぜかというと、似たようなことが書いてある箇所や、すでに知っている箇所はすばやく読めるからで、これにより、実は思ったよりもはやく読書できるということに気づくことができれば、読書習慣も身につきやすくなるのではないでしょうか?

紙の本を買うメリット

電子書籍の場合は、アプリを開かないと情報にアクセスできません。

しかし紙の本であれば、机のうえなど、自分の目につく所にまとめておいておくだけで、例えば、「私はいま、睡眠というテーマについての知識や情報を得ようとしている」という思考が無意識的にはたらきます。

これはちょっとしたテクニックですが、無意識に訴えかけるというのは予想以上に効果的なようです。

私の場合はこれによって意欲が高まり、情報を得るスピードがアップします。(ただし目のとまるところでないとあまり効果がない)

また紙の本の場合、実は知りたい情報へのアクセスがはやいという利点もあります。

たしかに電子書籍には検索という便利な機能がありますが、しかし実際には、アプリを立ちあげ、キーワードを入力し、検索ボタンをタップして必要な情報にアクセスするよりも、机のうえにおいてある本をパラパラッとめくって必要箇所にアクセスするほうがはやい場合が多いのではないでしょうか?

ですから電子書籍の場合、漫画や小説など、前から順番に読みすすめていく、いわゆる「娯楽のための読書」には向いていると思います。

しかし学びのための読書として、必要な情報を確認するためにページをパラパラとめくる必要がある場合、同時に複数の本をひろげたり、読み比べたりすることも考えますと、やはり紙の本のほうが便利だと思います。

ネットではなく紙の本からの情報を優先する理由

なぜインターネットの情報はデトックスして、紙の本からの情報をメインにするのでしょうか?

これは、無料より有料の情報のほうがおおまかな傾向として信頼できるであろう、という考えに基づいているからです。

もちろんインターネットも厳密には無料ではありませんし、ネットならではの情報もあるでしょう。無料だから価値が低いともいえませんし、さらにいえば、インターネット上で有料で情報を提供するサービスもあります。

しかし本屋をブラブラして好奇心を刺激すること、同じテーマで複数の書籍を購入して自分の頭で考える癖をつける、という二点が大切だと思うために、まずは紙の本をすすめています。

なおここでいう好奇心を刺激するとは、自分の予想外の本で、かつ有益だと思える本に出会える、というようなニュアンスです。

適切なテーマを設定する方法

自分がどんな知識や情報を得たいと考えているのか?これを適切に設定するということは、意外と難しいことです。

例えば、「仕事をこなしていくにあたり、集中力を高め、生産性や効率をあげていきたい」と考えたとします。

このときのテーマはどんなものになるでしょうか?

タスク管理やスケジュール管理、整理術などがテーマになりそうですが、実は単純に「本人の体調」がもっとも根本的な理由であるかもしれません。

この場合、テーマは「健康」であり、例えばぐっすりと眠るための工夫であったり、例えば筋トレなどで体力をつける方法であったり、瞑想して心をすっきりさせるとか、アルコールの量を減らすなどといったことが適切なテーマであるといえるでしょう。

このように、テーマ選定を間違ってしまうと、気づかないうちに遠回りをしてしまう可能性があります。

先ほど、本屋で知的好奇心を刺激する、と書きましたが、テーマ選定においても本屋は有効で、自分の勘ちがいや思い込み、ネットの広告宣伝などに乗せられてテーマを決めてしまうのではなく、実際にいろいろな本を手にとりながめていくことで、より自分にとって適切なテーマを見極めることができるようになります。

アマゾンである程度、目星をつけておく方法

とはいえ、忙しい日々の中で本屋に出かける時間もなかなかとれない、という場合もあると思います。

そのような場合は、私はアマゾンを活用しています。

このように、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とか「商品の説明」や「レビュー」などを参考にして、ある程度の「アタリ」をつけておきます。

これらをまとめて「ほしい物リスト」に保存しておいて、本屋にて実際に手にとって判断します。私の場合は、基本的に、本屋で確認してから購入するようにしています。

知識や情報を得るための本の読みかた

次に、購入した本をどのように読むかということになります。

まずは「読書の目的」を明確にしたほうがよいと思うのですが、私の場合はこれを簡略化して、おおまかに次のふたつにわけています。

  • 娯楽としての読書
  • 知識や情報を得るための読書(学びの読書)

実際には、娯楽のつもりが思わぬ学びになることもあれば、その逆もありますが、まずは読むまえに「なんのために読むのか?」をある程度、はっきりさせておくことが大切かと思います。

そして、娯楽としての読書であれば、KIndle などで隙間時間にさらっと読むこともありますが、この記事で解説しているような「知識や情報を得るための読書」であれば、鉛筆と付箋をもちながら、気になった箇所があれば直接、本にメモを書き込み、あとで参照できるように付箋を貼っておきます。

なお付箋はこちら(https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0013N2RLI/)の「透明見出し」のものが、文章が隠れることなく使用できるので重宝しています。

読んだらどうするか?

読後はできるだけそのままにせずに、メモ帳などに気になる箇所を抜き書きしたり、要約するなどして読了とします。

私は、メモアプリである Evernote に読書記録を入力しています。こうしておけば、あとで全読書記録から横断的に検索することも可能になります。

知識や情報を整理する場合の単位について

この方法を採用していくと、知識や情報の整理について、「一冊単位」で整理するパターンと「テーマ単位」で整理するパターンがでてきます。

最初は一冊単位からはじめてみるのがわかりやすいかもしれませんが、テーマが明確化、また深化されてくると、一冊単位の情報をくっつけてテーマ単位でまとめなおす場合もでてきます。

例えば、先ほどの「時間術」とか「睡眠」というテーマで Evernote ノートブックをつくり、情報をまとめなおしていくなどがそれにあたります。

知識や情報をアウトプットする

知識や情報の整理のために、自分なりにまとめたものをアウトプットすることは有効な手段となります。

ではどんな方法があるでしょうか?

「妻に話す」

私の場合は、「奥さんにはなす」、これをまずおこなうことが多いです。

これは、最初に述べた、「あるテーマについて自分の意見を述べる」ことの最初のステップと考えてもよいでしょう。

ですからこれは会話をしようというわけではなく、極端にいえば一方的に話せばそれでよい、ということになります。

あるテーマに沿って自分がゲットした知識や情報を伝えるためには、頭の中でそれらをまとめる必要がありますし、ここでは自分の頭の中で整理が進むことを期待しているわけです。

注意事項としては、奥さんの反応が鈍かったり、特に話を聞いていない感じだったりしても怒らないことでしょうか。

自分にとって「へえ!」でも相手にとって「だから?」というテーマはたくさんあるもの。そしてあくまでも自分内整理が進むことが目的なので、そういう意味ではラブラブなカップルよりも、何年も連れ添った「妻」のほうが、さらっと流してくれるので適しているかもしれません。

「見なおす」

先ほど、本を読んで気になったことを Evernote に抜き書きしておくと述べましたが、それを一ヶ月に一回くらい見なおします。

あくまでもざっと見なおす程度ですが、自分が得た情報の整理を促進させるという目的を持っておこなうことにより、自分にとって重要なテーマを再確認できたり、新しいテーマが見つかったりすることもあります。

ただ見なおすだけではなく、そこで気づいたことをさらにまとめなおすという、いわゆる「メタノート」をつくっておくと、「あなたの思考のダイジェスト版」とでもいうものを俯瞰することができるかもしれません。例として私の場合、毎月これをおこなっていますが、根本的な考え、興味のようなものはだいたいいつも同じような感じです。

「書く」

テーマが見つかってきたら、最終的にはそれらをまとめて「書く」ようにするとよいと思います。

この記事も、ここに書いてあるのと同じ手法で知識や情報を得て、それを自分なりに実践してまとめたものにすぎません。

書くことにより、知識や情報の整理はより進み、血となり肉となっていく感覚を味わうことができることもあるでしょう。

そして血肉となった知識や情報は、人生を生きていくうえでのひとつの判断基準となることもあるはずです。

その結果、決断力や判断力が高まったり、隣接するテーマにおける情報処理能力が高まったりすることもあります。

知識や情報を整理するためのツールはどれがよいのか?

あえて、ツールとしてとらえるならば、やはり「本」が最良のツールだと考えています。

メモ帳としては、個人的には Evernote を活用しています。

ただし、スマホアプリ版ではなく、PC または Mac 版が基本となります。

連携ツールやアプリが多いこと、モバイル版よりも安定していること、Evernote の機能「ノートリンク」を活用することにより、各ノート間の関係性を整理しやすいことなどがその理由です。

知識や情報を整理するためのツールと手法のまとめ

ここまでの内容をまとめます。

私は、知識や情報の整理という観点でいいますと、そのゴール設定として、「あるテーマについて自分の意見を述べることができる」という状態を、ひとまず「知識や情報が整理された状態」とし、これを目標としています。

手法については、まずは情報デトックス。私もあなたも、気をぬくと情報の海に溺れてしまうということです。

そして、有料情報の活用。ここでは書籍(紙の本)を活用します。読書中は気になる箇所をメモし、最終的には Evernote などに抜き書き、要約して読了とする。

自分が得た知識や情報は、話すこと、見直すこと、書くことによって整理が進み、血肉となっていく。

以上です。

関連する記事